「信頼の貯金」が未来を耕す―誠実な循環の中で選ぶ生き方

    「信頼の貯金」が未来を耕す―誠実な循環の中で選ぶ生き方

    インタビューを受けてくれた方

    吉井剛
    吉井剛さん

    吉井剛1976年生まれ北海道出身/現在はWebデザイナーとして働いています。性格は冷静沈着で論理的なところがあります。MBTIはENFP(運動家)。好きな言葉は「信頼」。信頼がすべての基盤だと思うからです。趣味は焚き火のゆらぎを眺めることで、特技は冷蔵庫のありあわせで作る即興料理です。好きな本は『エッセンシャル思考』、映画は『不夜城』です。どうぞよろしくお願いします。

    自分史DB

    ご自身の幼少期を振り返ってみて、今のあなたを形作る原点になったような、大切な思い出やエピソードがあればぜひお聞かせいただけますか?

    子供の頃のことでパッと思い浮かぶのは、北海道の家の裏にあった小さな林での出来事でしょうか。

    小学生のとき、近所の友達と秘密基地を作っていたんです。僕はリーダーシップを取るタイプじゃなかったんですが、みんなが持ってきたバラバラの板やガラクタをどう組み合わせたら雨漏りしないか、じっと考えて手を動かすのが好きで。

    完成したとき、友達が「吉井に任せればなんとかなるな」って笑ってくれたんです。その瞬間の、胸がじわっと熱くなるような、誰かに頼りにされる心地よさというか……それが今のデザイナーとしての仕事や、人との向き合い方の根っこにある気がします。

    自分史DB

    先ほど、秘密基地のお話で「頼りにされる心地よさ」について触れられましたが、吉井さんがお仕事や人間関係で「信頼」を築くために、大切にしていることはありますか?

    信頼って、結局は「言ったことをやる」っていう、すごくシンプルなことの積み重ねだと思うんです。

    デザインの仕事でも、派手な提案をするより前に、まずは納期をしっかり守るとか、相手が不安に思っている部分を先回りして解消するとか。そういう当たり前のことをどれだけ丁寧にやるかを一番に考えています。

    あとは、相手の期待を裏切らないためにも、自分にできないことは正直に「できない」と言うようにしています。無理をして引き受けて、後で穴を開けるのが一番怖いですから。

    お金の面でも、単に金額の多寡じゃなくて、その対価に見合う誠実な仕事ができているか。自分の中でそこに嘘がないことが、相手とのいい関係に繋がっていくんじゃないかな。

    自分史DB

    先ほど「対価に見合う誠実な仕事」というお話がありましたが、吉井さんにとって「お金」とは、単なる生活の手段以上の、 例えば信頼の証、自分を自由にするものなど、何か別の意味を持っていたりしますか?

    現実的な話をすると、やっぱり生活を支えるための土台ではあるんですけど、僕にとっては「覚悟のしるし」みたいな側面が強いかもしれません。

    デザインの仕事をしていて、クライアントが対価を払ってくれるのって、僕を信頼して自分のビジネスの一部を預けてくれているわけじゃないですか。だから、いただいた金額の分だけ、いやそれ以上に、相手の期待に応えなきゃっていうスイッチが入るというか。

    逆に、自分が何かにお金を払うときも同じです。安ければいいっていう基準じゃなくて、そのサービスや人の姿勢に納得できるか。

    お金って、ある意味で血液みたいなものだと思うんです。滞らずに、信頼できる場所へちゃんと流していく。そうすることで自分も周りも健やかにいられるし、結果としてそれが、何かに縛られない自由な心に繋がっていくんじゃないかな。

    自分史DB

    お金を「滞らずに信頼できる場所へ流す」というお話がありましたが、吉井さんが最近、お金を使って「これは本当に良い循環だったな」と心が満たされた瞬間はありますか?

    最近だと、地方で小さな家具工房を営んでいる方から、作業用のデスクを買ったときのことですかね。

    ネットで安く済ませることもできたんですけど、その方のブログを読んだら、木材の仕入れ先からこだわりを持っていて。この人にお金を払えば、その先の林業の方たちにもちゃんと繋がっていくんだなって実感できたんです。

    届いたデスクは、手触りからして全然違いました。それを使うたびに「自分もこういう誠実なものづくりをしなきゃ」って背筋が伸びます。

    単に物を買ったというより、その人の仕事の姿勢を応援して、そのエネルギーを分けてもらったような感覚です。自分が出したお金が、誰かの誇りを守って、それが形になって自分に返ってくる。これこそが僕にとっての「良い循環」だし、すごく贅沢なお金の使い方をしたな、と感じましたね。

    吉井剛さんから若い人に向けてメッセージ

    自分史DB

    「誠実な循環」を大切にされる吉井さんの生き方は、効率やスピードを求めがちな若い世代にとって、新しい価値観に触れるきっかけになるように感じます。最後に、これから自分らしい道を切り拓いていく若者たちへ、豊かさを見つけるヒントやメッセージをお願いします。

    今は何でも速く、安く手に入る時代じゃないですか。でも、だからこそ「どこに自分の大切なものを預けるか」をゆっくり考えてみてほしいな、とは思います。

    お金も時間も、自分の分身みたいなものです。それをただ消費するんじゃなくて、自分が心から「いいな」と思える人や場所に、おすそ分けするような感覚で使ってみる。すると、不思議と自分の方にも温かいものが返ってきます。

    最初は効率が悪く見えるかもしれない。でも、そうやって丁寧に築いた「信頼の貯金」みたいなものが、いつか自分が迷ったときに、一番の味方になってくれるはずです。

    目先の数字も大事だけど、自分の心が「健やかだな」って思える方を選んでいけば、案外なんとかなるものですよ。僕も、そう信じてやってます。

    インタビュアーからのコメント

    自分史DB

    「自分史DB」のインタビューにご協力いただき、ありがとうございました。吉井剛さんとの対話を終えて、感じたことをまとめさせていただきます。

    吉井さんのお話からは、論理的な思考の奥にある、人間味あふれる温かな「手触り」を感じました。お金やデザインを単なる道具とせず、その先にある人との繋がりや「誠実さ」を重んじる姿勢は、効率化が進む現代で見失われがちな、心の豊かさそのものだと思います。自分の出すエネルギーが巡り巡って誰かの誇りを支え、自分に返ってくる。そんな健やかな循環を信じる吉井さんの生き方に、深く共感しました。

    ご協力ありがとうございました。

    インタビューを受けてくれた方

    吉井剛
    吉井剛さん

    吉井剛1976年生まれ北海道出身/現在はWebデザイナーとして働いています。性格は冷静沈着で論理的なところがあります。MBTIはENFP(運動家)。好きな言葉は「信頼」。信頼がすべての基盤だと思うからです。趣味は焚き火のゆらぎを眺めることで、特技は冷蔵庫のありあわせで作る即興料理です。好きな本は『エッセンシャル思考』、映画は『不夜城』です。どうぞよろしくお願いします。

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