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    自分の好奇心に嘘をつかない–最短距離を捨ててあえて「面倒な方」へ

    インタビューを受けてくれた方

    阿部陽向
    阿部陽向さん

    阿部陽向 1996年生まれ 兵庫県出身 / 好奇心旺盛な性格で、会社員をしています。MBTIはINTP(論理学者)。信条は「迷った時は困難な道を選べ」。楽な方に流されがちな自分を律して、振り返った時に満足できる人生にしたいと考えています。ドライブやDIY、料理が趣味で、観察力には自信があります。好きな本は『魍魎の匣』、映画は『インターステラー』です。

    自分史DB-たか

    ご自身の幼少期を振り返ってみて、今のあなたを形作る原点になったような、大切な思い出やエピソードがあればぜひお聞かせいただけますか?

    子どもの頃を思い返すと、一番の原点はやっぱり工作ですね。兵庫のちょっと田舎の方で育ったんですけど、既製品のおもちゃで遊ぶより、段ボールとか端材を集めて「これ、どうやったら動くかな」って考えてる時間の方が長かったです。

    特に覚えてるのが、ボロボロの自転車を自分で直そうとした時です。結局うまく直らなくて親に怒られたりもしたんですけど、あの「仕組みを知りたい」っていうワクワク感が、今のDIY好きや、物事を観察して考える性格に繋がっている気がします。

    今の仕事でも、とりあえず自分で手を動かして試行錯誤しちゃう癖があるのは、あの頃の失敗の積み重ねがあるからかもしれません。楽な道じゃないけど、自分で納得いくまでやりたいっていう。

    自分史DB-たか

    会社員ということですが、具体的にはどんなお仕事をしているんですか?

    精密機器メーカーで、主に製品の不具合を分析したり、設計の改善を提案したりする仕事をしています。淡々とデータを眺める時間が多いですね。もともと何かをじっくり観察して、その裏側にある理屈を解き明かすのが苦にならないタイプなので、今の職種は自分に合っている気がします。

    ただ、会社組織にいると、どうしても効率や無難な選択を求められる場面があるじゃないですか。私はつい、あえて手間のかかる検証方法を選んでしまったりして、周りから不思議がられることもあります。自分の中では、納得感のないまま楽な道を進むのが一番気持ち悪いというか、怖いんですよね。結局、遠回りをしてでも本質を知りたいんだと思います。

    自分史DB-たか

    根っからの技術者という感じがしますね、最近のはまっていることはありますか?

    最近は料理、特にスパイスからカレーを作ることに時間を使っています。スーパーで売っているルーを使えばすぐ終わるんですけど、あえてホールスパイスを潰すところから始めるとか。その、香りの変化を観察するのが面白いんです。

    あとドライブもよく行きますね。目的地を決めるというより、地図を見て「この道、かなり勾配が急だな」とか「道幅が狭くて面倒そうだな」と思ったルートにあえて突っ込んでみたり。正直、運転しながら後悔することもあります。でも、無事に抜けられた時の、あの自分の感覚が研ぎ澄まされる感じは他では味わえないというか。

    日常の些細な選択でも、わざわざ負荷をかけにいく。変な話ですけど、それが自分を律する一番手軽な方法なんです。

    自分史DB-たか

    探求心が強いタイプなんですね、その性格が影響してすごく後悔したことはありますか?

    後悔、そうですね。数え切れないほどあります。一番は、大学時代の進路選択でしょうか。もっと研究に没頭できる環境へ行けたはずなのに、当時は少し怖気付いて、自分の実力に見合った「無難な」研究室を選んでしまったんです。

    入ってみたらやっぱり物足りなくて。楽な方を選んだ自分への嫌悪感がすごかったです。あの時の、自分の好奇心に嘘をついた感覚がずっと喉の奥に引っかかっていて。だから今の「困難な道を選ぶ」っていう信条も、当時の後悔から逃げないための、ある種の呪いみたいなものかもしれません。

    自分史DB-たか

    今後の人生で何か目標としていることはありますか?

    大きなことを成し遂げたいとか、そういう野心はあまりないです。ただ、死ぬ間際に自分の人生を振り返った時、どれだけ「自分の手で触れて、理解できたもの」があるかを大事にしたいと思っています。

    仕事でも趣味でも、誰かが作った正解をなぞるだけじゃなくて。たとえ非効率だと言われても、自分で観察して、納得いくまで試行錯誤した形跡を増やしていきたいです。今は会社員ですけど、将来的にはもっと、自分の目と手だけで完結するような、それこそ山の中でひたすら何かを作り続けるような生活も悪くないな、なんて考えたりします。

    結局、自分にとっての満足感って、どれだけ困難な状況を自分のロジックで突破できたか、っていう一点に尽きる気がするんですよね。静かに、でも確実に、自分の境界線を広げていくような、そんな生き方ができればいいなと思っています。

    阿部陽向さんから若い人に向けてメッセージ

    自分史DB-たか

    阿部さんならこれからもどんどん新しいことに挑戦して、自分の幅をもっと広げていけるような気がします。若い人へのメッセージをいただけませんか?

    メッセージ、なんて大それたことは言えませんが。そうですね、もし何かに迷ったなら、あえて自分が「面倒くさそうだな」と感じる方を選んでみてほしいです。

    今の世の中って、効率よく最短距離で正解にたどり着くことが良しとされがちじゃないですか。でも、すぐ手に入る答えって、自分の血肉にはなりにくい気がするんです。遠回りして、無駄な観察をして、自分の手を動かして失敗する。その過程でしか得られない手触りみたいなものが、結局は自分を支える自信になるんじゃないかなと。

    私も、いまだに楽な方に流されそうになります。でも、そこで踏みとどまって少しだけ難しい道を行く。その積み重ねが、数年後の自分をきっと面白くしてくれるはずです。

    インタビュアーからのコメント

    自分史DB-たか

    「自分史DB」のインタビューにご協力いただき、ありがとうございました。阿部陽向さんとの対話を終えて、感じたことをまとめさせていただきます。

    阿部さんの語り口は淡々としていながら、自らの好奇心と納得感にどこまでも誠実な「静かな熱量」に満ちていました。

    特に印象的だったのは、過去を糧に己を律する「困難な道を選ぶのは自分への呪い」という独自の美学です。効率が優先される現代において、あえて手間や険しさを引き受けるその姿勢には、一種の救いのような手触りがあります。理屈を解き明かし、境界線を広げ続ける阿部さん。彼がこれから積み重ねていく「納得」の行方を、これからも追いかけてみたくなりました。

    ご協力ありがとうございました。

    インタビューを受けてくれた方

    阿部陽向
    阿部陽向さん

    阿部陽向 1996年生まれ 兵庫県出身 / 好奇心旺盛な性格で、会社員をしています。MBTIはINTP(論理学者)。信条は「迷った時は困難な道を選べ」。楽な方に流されがちな自分を律して、振り返った時に満足できる人生にしたいと考えています。ドライブやDIY、料理が趣味で、観察力には自信があります。好きな本は『魍魎の匣』、映画は『インターステラー』です。

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