インタビューを受けてくれた方

橋本愛1988年生まれ石川県出身/現在は保育士として働いています。性格は明るくポジティブで、MBTIはISFP(冒険家)。好きな言葉は「創造」。新しい価値を生み出すことに魅力を感じるからです。休日はカメラを楽しみ、特技はお菓子作りです。好きな本は『Think clearly』、映画は『インセプション』です。どうぞよろしくお願いします。
自分史DBご自身の幼少期を振り返ってみて、今のあなたを形作る原点になったような、大切な思い出やエピソードがあればぜひお聞かせいただけますか?
幼少期の記憶だと、田舎の実家で一人でいた時間が一番長かった気がします。家の裏に古い納屋があって、そこから漏れる光の筋を、ただじっと眺めているような子供でした。
埃が光に当たってキラキラしているのを見て「ここには私しか知らない世界があるんだな」って、ぼんやり感じていて。今の保育士の仕事でも、子供たちが積み木で黙々と何かを作っている静かな瞬間を見ると、あの時の感覚をふっと思い出すんです。
誰にも邪魔されない、自分だけの静かな空間が原点なのかもしれません。それが今のカメラの趣味にも繋がっているのかな。



幼い頃に眺めていた「光の筋」のお話、とても印象的でした。今、カメラを手に取ってファインダーを覗くときも、あの納屋で感じたような感覚を探していたりするのでしょうか?
カメラを構えているときは、たぶん、その感覚に近いところにいるんだと思います。
ファインダーを覗くと、まわりの音が少し遠くなって、四角い枠の中だけが自分の世界になるじゃないですか。あの感覚が、納屋で光を見ていた時と同じくらい落ち着くんです。
被写体はなんでもいいんですけど、強い太陽の光よりは、夕暮れ時とか、影が長く伸びているような時間のほうが好きで。そういう光を見ると、ああ、いいなって。言葉にするのは難しいんですけど、心がしん、とするんですよね。
仕事場はいつも子供たちの声で賑やかですけど、そんな中でも、ふと窓から差し込む光に目が行くことがあって。そういう「静止した瞬間」を切り取りたくて、カメラを持ち歩いているのかもしれません。結局、昔から変わっていないのかも。



保育現場は感情がぶつかり合うとても動的な場所ですよね。そんな中で、あえて「静止した瞬間」を探してしまうのは、橋本さんにとって一種のバランス調整のような意味合いもあるのでしょうか?
バランス調整、そうかもしれません。
園にいると、泣いたり笑ったり、エネルギーが常に爆発しているような状態の中に身を置くことになるので。もちろんそれは素敵なことなんですけど、ずっとそこに浸かっていると、自分がどこにいるのか分からなくなる時があるんです。
だから、子供たちが昼寝をしている間の静まり返った教室とか、棚の隅に置かれたおもちゃに午後の光が当たっているのを見つけると、少しだけ呼吸が楽になるというか。
激しく動いているものの中に、動かないものを見つける。そうやって自分を真ん中に戻しているんだと思います。カメラで撮るのも、その「真ん中に戻った瞬間」を忘れないように、自分への目印を残しているような感覚なのかもしれません。



自分を失いそうになるほどエネルギーに満ちた場所、というのはすごいですね。あえてそんな「動的」な保育士という仕事を選ばれたのは、橋本さんの中にある「静けさ」と何か関係があるのでしょうか?
そこは自分でも不思議なんですけど、たぶん、自分にないものを求めているのかもしれませんね。
私、放っておくとずっと自分の内側にこもって、静かな世界に沈んでいっちゃう気がして。だから、強制的に外側から揺さぶられる場所が必要だったのかも。子供たちのエネルギーって、理屈じゃないじゃないですか。突然泣いたり、笑ったり、予想もしない動きをしたり。
そういう「動」の嵐の中にいると、逆に自分の中の「静」がはっきり際立つというか。
騒がしい教室の隅で、ふと一人の子が何かに夢中になって静止している瞬間を見つけると、すごく安心するんです。「あ、ここにも私と同じような静かな世界がある」って。自分の中の静けさを確認するために、あえて正反対の賑やかな場所を選んだ、と言ったら、ちょっと格好付けすぎかな。
橋本愛さんから若い人に向けてメッセージ



今の世の中、常に何かに追い立てられたり、外側の賑やかさに飲み込まれそうになって、自分を見失ってしまう若者も多い気がします。
そんな彼らに向けて、橋本さんのように「自分だけの光の筋」や「自分を真ん中に戻すための目印」を見失わずに生きていくためのヒントがあれば、ぜひ教えていただけますか?
外の世界がうるさすぎると、どうしても自分の声が聞こえなくなりますよね。私も、仕事で一日中子供たちと向き合っていると、頭の中までガヤガヤしてくることがあります。
そんな時に大切にしているのは、一日に数分でもいいから、自分だけにしか分からない「小さな美しさ」を、誰にも言わずに持っておくことです。
例えば、朝、コーヒーにミルクが混ざり合う形が綺麗だったとか。道端の石の影が、昨日より少し長くなったとか。SNSにアップして誰かに共感してもらうための「映え」じゃなくて、自分だけが「あ、これ好きだな」と思える瞬間を、誰にも渡さない秘密のように貯金していくんです。
そういう些細な自分の感覚を信じてあげると、外がどんなに賑やかでも、自分の足元だけは静かになれる気がします。
大きな夢とか目標なんてなくても、自分にだけ見える「光の筋」をいくつか持っていれば、案外、穏やかに歩いていけるんじゃないかな。そんな風に思います。
インタビュアーからのコメント



「自分史DB」のインタビューにご協力いただき、ありがとうございました。橋本愛さんとの対話を終えて、感じたことをまとめさせていただきます。
静寂を愛する橋本さんが、あえて対極にある賑やかな保育現場に身を置くことで、自らの中心を確認し続ける姿が印象的でした。誰にも言わずに「小さな美しさ」を心に貯金するというお話は、情報過多な現代を生きる私たちにとって、自分を守るための大切な知恵だと感じます。光と影を静かに見つめる橋本さんの視点は、日常に埋もれた微かな安らぎに気づかせてくれる、穏やかで強い道標のようでした。
ご協力ありがとうございました。
インタビューを受けてくれた方


橋本愛1988年生まれ石川県出身/現在は保育士として働いています。性格は明るくポジティブで、MBTIはISFP(冒険家)。好きな言葉は「創造」。新しい価値を生み出すことに魅力を感じるからです。休日はカメラを楽しみ、特技はお菓子作りです。好きな本は『Think clearly』、映画は『インセプション』です。どうぞよろしくお願いします。

