「人生の停滞」はパズルの1ピース―現場の「流れ」を導いてきた、信頼と突破の極意

    「人生の停滞」はパズルの1ピース―現場の「流れ」を導いてきた、信頼と突破の極意

    インタビューを受けてくれた方

    吉田由美子
    吉田由美子さん

    吉田由美子1967年生まれ滋賀県出身/物流管理の仕事をしていました。性格は明るくポジティブで、MBTIはENFJ(主人公)。好きな言葉は「突破」。壁を乗り越える達成感が好きだからです。休日はウォーキングを楽しんでいます。特技はパズルです。好きな本は『invert II 覗き窓の死角』、映画は『容疑者Xの献身』です。どうぞよろしくお願いします。

    自分史DB

    ご自身の幼少期を振り返ってみて、今のあなたを形作る原点になったような、大切な思い出やエピソードがあればぜひお聞かせいただけますか?

    原点と言いますと、やはり滋賀の田舎で、近所の駄菓子屋さんへ通っていた頃のことでしょうか。

    当時、母から一円単位でお小遣いをもらっておりましたが、それをいかに効率よく、お腹いっぱいになるまで使い切るか。子供ながらに、小さな掌の上の小銭と、棚に並んだお菓子を交互に見ては、真剣に計算しておりました。

    限られた予算の中で、最大限の結果を出す。あの頃の、一円を惜しみつつも目的を果たすことに感じていた、ある種の執着にも似た情熱が、後の物流管理という、無駄を削ぎ落とす仕事へのこだわりに繋がったのかもしれません。お金のやりくりは、わたくしにとって最初の「パズル」だったのでしょうね。

    自分史DB

    パズルがお得意とのことですが、物流の現場も、限られた時間や空間にピースをはめていく作業に似ている気がします。仕事に行き詰まったとき、パズル的な思考が助けになった具体的なエピソードはありますか?

    現場で大きな問題……いわゆる「詰まり」が発生した時のことでございますが。トラックの配車が狂い、倉庫内のスペースが物理的に限界を迎えてしまったことがありました。周囲は「もう無理だ」と諦めムードで、コストばかりが膨らんでいく状況でした。

    ですが、わたくしは不思議と冷静でした。まず全体を俯瞰して、動かせる要素と動かせない要素を、頭の中で色分けいたしました。そして、一見無駄に見える隙間を、別の荷物の通り道として活用したのです。あちらを立てればこちらが立たず、という状況を一つずつ解きほぐして、最後のピースがカチッとはまった瞬間。滞っていた荷物が、まるでお水が流れるように動き出した時の快感といったら。

    あの瞬間、確かに「突破」したという確かな手応えを感じました。無駄を削り、最適解を導き出す快感は、わたくしを支える大きな原動力となっておりますね。

    自分史DB

    そんな場面で冷静に問題を解決できるなんて、憧れます。性格が明るくポジティブでいらっしゃるとのことですが、どうしても突破できないような分厚い壁にぶつかった時、吉田さんはどうやって乗り越えますか?

    物流の仕事をしておりますと、天候や国際情勢など、個人の努力ではどうにもならない「お金と時間の停滞」に直面するのです。

    そんな時、わたくしは一度、その壁を「眺める」ことに徹します。無理に体当たりをして傷つくのではなく、「今はこういう時期なのだわ」と、現状をありのままに受け入れる。そして、ウォーキングに出かけたり、難しいパズルに没頭したりして、一度その問題から意識を切り離します

    不思議なもので、別のことに集中していると、ふとした瞬間に壁の「薄い部分」や、回り込める「隙間」が見えてくることがございます。

    それに、わたくしの周りには、幸いなことに助けてくださる方が大勢いらっしゃいました。わたくしがポジティブでいられるのは、壁の向こう側に行きたいという目的さえ見失わなければ、誰かが梯子を貸してくれたり、一緒に押してくれたりすると信じているからかもしれません。

    自分史DB

    周囲を巻き込んで壁を乗り越えるのですね。いざというときに周囲の人々に協力してもらうために、日頃から意識していることなどはありますか?

    わたくしが何より重んじているのは、日々の「信頼の積み立て」でございます。

    物流の現場でも、急なトラブルで無理をお願いしなければならない場面は多々ございます。そんな時、動いてくださるのはシステムではなく、やはり「人」なのです。ですから、わたくしは言葉のやり取りを丁寧にすることを心がけてまいりました。

    例えば、相手が何に困っているのか、何を大切にしているのかを日頃からよく観察しておくのです。こちらが壁にぶつかった時だけ助けを求めるのではなく、相手が困っている時にこそ、わたくしが真っ先に「パズルのピース」を埋める手伝いをする。

    そうして、お互いに「貸し借り」というよりは「恩送りの循環」のようなものができていると、いざという時に自然と手が差し伸べられるように思います。

    あとは、そうですね。感謝の気持ちを伝えるのを後回しにしないことでしょうか。当たり前のことのようですが、忙しい時ほど、一言のねぎらいが、次に「突破」するための大きなエネルギーに変わると感じています。

    吉田由美子さんから若い人に向けてメッセージ

    自分史DB

    効率や数字が重視される世の中ですが、吉田さんが大切にされてきた「信頼の積み立て」や「パズルを解くような情熱」を、今の若い方たちはどう自分たちの人生に取り入れていけばよいと考えられますか?

    今の若い方たちは、本当に器用で、情報の扱いもわたくしたちの世代よりずっとお上手だと感じます。ただ、効率を急ぐあまり、目の前の「上手くいかない時間」を、単なる無駄だと切り捨ててしまうのは少しもったいない気がするのです。

    人生のパズルというのは、最初からピースが揃っているわけではございません。一見すると何の役にも立たないような失敗や、遠回りに思える人間関係、それらの一つひとつが、後になって「突破」のために不可欠な欠片だったと気づく日が必ず来ます。

    ですから、あまり数字や結果にばかり捉われず、まずは目の前にある「小さな違和感」や「ちょっとした工夫」を面白がってみてください

    お金を稼ぐことも大切ですが、それ以上に「あなただから助けたい」と言ってくれる人を一人でも増やすこと。その「信頼の貯金」こそが、どんな不況や困難な壁も突き崩す、最強の資産になります。

    わたくしも、滋賀の田舎で駄菓子を選んでいた頃は、それが仕事に役立つなんて思いもしませんでした。無駄を愛し、面白がること。それが、人生という名の難解なパズルを、愉快に解き進めるコツではないでしょうか。

    インタビュアーからのコメント

    自分史DB

    「自分史DB」のインタビューにご協力いただき、ありがとうございました。吉田由美子さんとの対話を終えて、感じたことをまとめさせていただきます。

    物流という「流れ」の最前線で、数字や効率だけでなく、人との信頼や「恩の循環」を何より大切にされてきた歩みに深く感銘を受けました。困難を「パズルの隙間」を探すように面白がり、周囲を巻き込んで突破する姿勢は、現代を生きる私たちにとって、お金以上の価値を持つ知恵だと確信しています。吉田さんの温かく、力強いエールが、多くの若者の背中を押すことでしょう。

    ご協力ありがとうございました。

    インタビューを受けてくれた方

    吉田由美子
    吉田由美子さん

    吉田由美子1967年生まれ滋賀県出身/物流管理の仕事をしていました。性格は明るくポジティブで、MBTIはENFJ(主人公)。好きな言葉は「突破」。壁を乗り越える達成感が好きだからです。休日はウォーキングを楽しんでいます。特技はパズルです。好きな本は『invert II 覗き窓の死角』、映画は『容疑者Xの献身』です。どうぞよろしくお願いします。

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