インタビューを受けてくれた方

後藤陽子1973年生まれ埼玉県出身/現在は調理師として働いています。性格は好奇心旺盛でアクティブで、MBTIはINTP(論理学者)。信条は「共通認識」。認識を揃えることが重要だと思うからです。休日はジョギングを楽しみ、特技はピアノ演奏です。好きな本は『あの子の隣に座るということ』、映画は『未知との遭遇』です。どうぞよろしくお願いします。
自分史DBご自身の幼少期を振り返ってみて、今のあなたを形作る原点になったような、大切な思い出やエピソードがあればぜひお聞かせいただけますか?
私の原点というと、やっぱり実家のキッチンを思い出します。埼玉県で育ったんですけど、母が料理をしている横で、私はずっとその手元を眺めているような子供だったんです。
今の仕事(調理師)に直結しているのもあるんですけど、それ以上に「みんなで同じものを食べて、同じ美味しいっていう感覚を分かち合う」っていう時間が、私にとってはすごく安心できるものだったんですよね。
当時ピアノを習っていたんですけど、実は練習より、先生と「今の曲、どんな景色が見えた?」ってお話しする時間の方が好きだった記憶があります。
自分と誰かの頭の中にあるイメージを、すり合わせて、重なった瞬間の心地よさ。それが、今の私の「共通認識を大事にしたい」っていう考え方に繋がっている気がします。当時はそんな難しい言葉は知りませんでしたけど、あの頃の静かな台所の匂いやピアノの音色が、今の私を支えてくれているのは間違いないですね。



今は調理師として働かれていますが、幼少期に感じた「美味しいを分かち合う安心感」が、実際の仕事の現場で「共通認識」という信念に変わったきっかけなどはありますか?
実は、調理師として働き始めたばかりの頃、ちょっとした失敗をしたことがあって。自分では良かれと思って味を微調整したんですけど、チームの先輩から「勝手なことをするな」と注意を受けたんです。その時、プロの現場は一人で完結するものじゃないんだって痛感しました。
家庭料理なら「私の味」でいいんですけど、仕事となると、お客様に提供するクオリティを全員が同じレベルで理解していないといけない。塩加減ひとつにしても、言葉だけでなく、感覚として「これだよね」という一致が必要で。
それができて初めて、幼い頃に感じたあの「美味しいね」っていう平和な空気が守れるんだなと気づきました。だから今は、後輩と話す時も「なんとなく」じゃなくて、お互いのゴールをしっかり合わせるようにしています。それが私なりの誠実さというか、安心を作るための土台ですね。



仕事では常にチームの足並みや認識を揃えることを意識されていますが、お休みの日のジョギングは、そうした「外との調整」から離れて自分を解放するような時間だったりしますか?
まさに、おっしゃる通りかもしれません。仕事場では、秒単位のタイミングとか、味のブレとか、常に周りと神経を尖らせて「答え合わせ」をしている感じなので。
ジョギングをしている時だけは、誰にも合わせなくていいんですよね。自分の呼吸のペースと、足の裏が地面を叩くリズムだけに集中できるというか。あ、今日はちょっと体が重いなとか、風が冷たくて気持ちいいなとか、自分だけの感覚を確認する作業に近いかもしれません。
走っているうちに、頭の中のごちゃごちゃしたものが、だんだん整理されていくんです。
なんて言うか、外との調整をうまくやるための、自分自身のメンテナンス時間ですね。しっかり走って自分をニュートラルに戻すと、また明日から、みんなと笑顔で向き合える気がするんです。結局、一人の時間も「いい仕事」に繋がっているのかもしれませんね。



「自分をニュートラルに戻す」という表現、素敵ですね。「好奇心旺盛でアクティブ」というご自身の性格は、いつ頃から自覚されたのでしょうか? 何か新しいことに挑戦する際、迷いや不安を感じることはありますか?
自覚したのは中学生くらいの時でしょうか。周りの友達が同じグループで固まってお喋りしている中で、私は「あっちの部活は何をやってるんだろう?」とか「あの道の先には何があるんだろう?」って、フラフラどこかへ行っちゃうタイプだったんです。
大人になってからも、調理師の免許を思い切って取りに行った時なんかは、やっぱり好奇心が勝っちゃいましたね。
不安はもちろんありますよ。新しい現場に入る時なんて、心臓がバクバクします。でも、私の場合は「不安」よりも「知らないままでいること」の方が落ち着かないんです。
「この扉を開けたら、どんな新しい共通認識が持てる人がいるんだろう?」って考えちゃうと、もう止まらなくて。迷うくらいなら、まずは一歩踏み出して、そこで転んだらその時に考えればいいかなって。意外と、走り出しちゃえばジョギングと同じで、あとはリズムに乗るだけだったりしますから。
後藤陽子さんから若い人に向けてメッセージ



自分の好奇心を信じて一歩踏み出し、多くの出会いや挑戦を重ねてきた後藤さんから、これから自分の人生をデザインしていく若者たちに向けて、何か温かいエールやメッセージをいただけますか?
あんまり難しく考えなくていいんだよ、って伝えたいですね。今はSNSとかで、正解がどこかにあるように見えちゃうから、余計に足が止まっちゃうのかもしれません。
でも、私が思うに、最初から「これだ!」っていう道を見つける必要はないんです。ちょっと気になるなとか、あっちを覗いてみたいなっていう、自分の小さなワクワクを無視しないこと。それだけで十分なんですよ。
もし失敗しても、それは「このやり方じゃないんだな」っていう自分だけのデータが手に入っただけ。むしろラッキー、くらいの気持ちでいいんじゃないかな。
一歩踏み出せば、そこでまた新しい誰かと出会って、面白い景色を共有できる。その繰り返しが、いつのまにか自分だけの人生の形になっていくんだと思います。まずは深く呼吸して、自分のペースで、トントンと走り出してみてくださいね。応援しています。
インタビュアーからのコメント



「自分史DB」のインタビューにご協力いただき、ありがとうございました。後藤陽子さんとの対話を終えて、感じたことをまとめさせていただきます。
「共通認識」という言葉の裏にある、周囲への深い誠実さと、ジョギングで自分を整える軽やかさ。その絶妙なバランスが後藤さんの穏やかな雰囲気を作っているのだと感じました。
「不安よりも、知らないままでいる方が落ち着かない」という言葉には、一歩踏み出す勇気をもらえます。誰かと食卓を囲むような温かさで、自身の道を切り拓いていく姿がとても印象的でした。
ご協力ありがとうございました。
インタビューを受けてくれた方


後藤陽子1973年生まれ埼玉県出身/現在は調理師として働いています。性格は好奇心旺盛でアクティブで、MBTIはINTP(論理学者)。信条は「共通認識」。認識を揃えることが重要だと思うからです。休日はジョギングを楽しみ、特技はピアノ演奏です。好きな本は『あの子の隣に座るということ』、映画は『未知との遭遇』です。どうぞよろしくお願いします。

